昼休み、渡り廊下にある木製のベンチに腰掛け、缶コーヒーを飲む。
明るい陽射しと谷に響く鳥の声。
休み時間にくつろぐみんなのざわめき。
この時間が、たまらなく愛おしく、倖せを感じるひとときです。
番匠の里は、平成8年にご家族の願いと活動の中から生まれました。
障害者自立支援法の施行に伴い、名前も「らいふぽーと番匠の里」となりましたが、
まさしく、利用者お一人おひとりの生活と人生を支えていくために、
「今、自分たちに何ができるのか」を問い続けながら、共に歩んでいます。
時代はまさに変革期。
さまざまなことが、先行きと出口の不鮮明な時代の中にあります。
「障がい福祉を取り巻く環境は厳しく...」よく言われる言葉ではありますが、
そんな中で、関係者誰もが次に足を下ろす場所を探しています。
しかし、明るい兆しがない訳ではありません。
利用者のみなさんが、いろんなことにチャレンジしています。
職員のみんなが、真剣に悩み、取り組んでいます。
保護者のみなさんが、毎日応援してくれています。
地域のみなさんが、たくさん協力してくれます。
そんなみんなの思いが詰まったこの施設をもっともっと素敵な場所にしていきたいと思います。
あらゆる可能性を排除しない。
頑張っても、思うような結果が出ないこともある。
だけど、それを糧にまた次のチャレンジを恐れない、
そんな風に、前を向いて歩いていける。
たとえ毎日が、それほど変わらないように思えても、
一年先の自分が、そして自分の大切な人が笑顔でいられるように。
今、この時を楽しみながら、真剣に過ごしていきたいと思います。
2012.11.01 この場所に集う皆の成長を願いながら。
藤田 淳実